香り師®️について
香り師の実践知
実践知とは、アリストテレスが説いたフロネシスに由来しています。
フロネシスとはギリシャ語で「思慮・深慮」を意味しますが、アリストテレスの「ニコマコス倫理学」では《実践的知識》として位置付けられます。
実践知は、実践の場で状況を見て的確に認識し、判断をする能力のことで、経験の積み重ねによって形成される智慧や知性です。
言葉の通り実践(経験)の中で培っていくものであり、机上のものではありません。
自身の生活や人生の中で実際に経験することをまずは意識化するということを練習し、日常で最適解を見つけ行動できる自分を育てます。
視座を高める
視座とは、物事を眺める時の立場のことです。
「起きていることをどの位置から眺め認識するか?」ということですが、空高く飛ぶ鳥が全体を見渡せるように、ひとつのピクチャーを眺める時に視座が高ければ高いほど全体の状況を把握できるようになります。
より全体を見渡せることにより得られるものは計り知れません。
全体としての最適を見つけることができ、また目的を見失うこともなく、自分自身がその道を歩んで行く時の道標も強固なものとなります。
インスタントな解決策ではなく、先を見通し、根源的な解決法を導き出すことが可能になります。
多くの人はパズルのピース1つを手に持ち、これをどうしたら完成するのか。という視点を持つことが多いように感じます。
パズルを完成させるには、どこにどれだけのピースがあり、あとどんなピースが必要なのか、それをどう組み合わせれば完成するのか、という全体を知る必要があります。
また、視座を高めるというのは心の置き所を変化させるということでもあります。
この世界はとても広く、私たちが知らないものがたくさんあります。自分の心を置いてみる新しい視点を獲得しにいきましょう。
全体最適の感覚を養う
視座を高めることにより、全体が見渡すことができ全てにより善い結果をもたらすにはどうすべきかという決断をできる判断力を身につけます。
我れ先にと和を無視すれば買い占めが起こり、分け合えば余ります。"先義後利"の心もここには存在することになるでしょう。
"遠くをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す"
自己の幸福を他者の中に生み出すことのできる精神性を体感し、養います。
ビジョンの明確化をはかる
自分は何をしていきたいのか。ということに多くの人が悩みます。
車を運転して知らない場所に行く時にも、まずは行きたい場所を設定すればナビゲーションされそこにたどり着くイメージがしやすくなります。
私たちの人生も同じで、自分自身で行きたい場所、辿り着きたい場所、形にしたいことなどを明確にできればできるほど、その道中歩みやすいものとなります。
単純に、「○年後に海外に旅行に行きたい」というようなものから設定してみるのもいいでしょう。
香り師では、それ以上にその人自身が生まれてきた意味を見出せるレベルのビジョンをその人の中から引き上げ、形にするお手伝いをします。
自分自身の人生の意味は、誰かに決められるものでも与えられるものではありません、自分自身の中にあるものを見つけ出し、言葉にして具現化します。
善悪のジャッジメントからの解放
「何かが良くて、何かが悪い」という二極の世界から抜け出す感覚を養います。
目の前には事実しかなく、それが善いか悪いかの判断をしたのは他の誰でもない自分自身です。
「誰かがすごく見えて、それによって自分はダメに思える」
そのような比較から生まれるネガティブさからも自分を解放できることを理解します。
私たちは想像以上に日常のあらゆるところで二極化のジャッジメントを行っており、それらはほとんどのものが無意識下で起こり、
そのジャッジメントに支配されて行動が生まれ、現実になります。
そのメカニズムを実践の中で学び、理解し、手放していきます。
中庸感を養う
中庸感というのはバランス感覚とも言えます。
今、目の前のでたったひとつの決断をする力が必要なこともあれば、あらゆる選択の可能性を許し、柔軟であることが必要なこともあります。
白が良いときもあれば、黒がよい時もあります。
前述の善悪からの解放という感覚を学びながらも、わたしたちは極を知り、初めて真ん中のバランスを知ることができます。
またその極は、善悪という概念ではなく、ただ極と極があるということを理解することで人を批判する必要もなくなります。
善と悪、主観と客観、正と誤、予定と突発、自己と他者など「両極併存」の原理です。
矛盾がない世界ではなく、この世界は矛盾でできていることを理解し、正しい答えや過剰なジャッジから解放された柔軟で優しい心の器を養います。
源に立つ
自分の人生は自分で創る。
自分という存在にどれほどの影響力や力があるのかをわたしたちはまだ理解していません。
自分が源に立つとき、他責にしない自分とも出会えるでしょう。
心をベースに生きる
知識が重要か、心が重要か。
前述したとおり、両輪を回しどちらも大事にできる自分を養いますが、人と関わり生きていく中で、最後はやはり、心なくして豊かな人生はあり得ないと思い至ります。
人の心はうつろいやすいですが、それと同時に信頼し合えるとき、誰かを心から想えるとき、思いもしなかったような奇跡的な力が発揮されます。
その世界を体感してほしいと心から願っています。
絶対にお金では買えない実践知のひとつであり、我-汝(われ-なんじ)(*自分と相手との関係性)を学び、習得します。
この段階までくると、愛というものの琴線に触れやすく豊かな自分自身の器やありようというものが掴め始めていることと思います。
楽しみにしていてください。
身口意と伝播と相乗
香り師の場は、期を超えて仲間がつながり、またお客様とつながり、助け合いながら日々をそれぞれ前進させています。
これまでご説明させていただいてきたものを養っていくと、馴れ合いではなく、依存ではなく、お互いに自立し合い、心から相手を想い関わることのできる人間性や精神性、それを伴う人としての器が育ってきます。
"心から相手を想い、行動する"
例えばですが、そのような綺麗な言葉を言葉にすることは簡単です。
しかし、実際に行うことはとても難しいことかもしれません。
言葉は嘘をつく。だからこそ、自分が放った言葉に嘘をつかせないように、自分の口に嘘をつかせないように。自分に誠実であれるように。
自分の言葉と行動に一貫性を持たせていく。
それが本当の意味での「心に正直に」ということでもあり、自分への誠実さでもあり、そして心に従って生きるということにも繋がります。
身口意(しんくい)とは、行動と言葉、そして思考や想いを一致させるという意味です。
これができるようになったとき、計り知れない安定感とパワーを感じることでしょう。
想いの波紋を、ワイズリーダーとして
香り師の場で自分の器を育て、人への想いを育て、その次は自分自身の場からそれらを発信し、伝播させていきます。
水面に1滴の想いをわたしが落としました。
その波紋に共鳴してくれた人たちが、また自分の場で1滴の想いを波紋として広げてくれています。
そうやって輪が干渉し合い、影響を与えながら、また想いの水紋が広がっていく。
トップダウンの組織ではなく、わたしもみんなの一部であり、そしてみんなも世界の一部であり、やさしい想いの影響がこの社会に広がることを願っています。
実践知に基づき、ワイズリーダー(*実践知・共通善を備えたリーダー)として、柔軟な器を持って社会に愛を広げてくれる人材を増やしたいと思っています。