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ナードアロマアドバイザーコース レッスン11抗菌アロマ

  • 執筆者の写真: さら ともみ
    さら ともみ
  • 7月16日
  • 読了時間: 6分

本日は、ナード・アロマテラピー協会アロマアドバイザーコースのレッスン11 抗菌アロマテラピーのレポートをお届けします。

アロマテラピー

アロマテラピーは自然療法のひとつですが、どのような心身の不調や状態にアプローチするのが得意なのか、または不得意なのかという得手・不得手があります。

これはアロマに限らず、他の代替医療も同様であり、もう少し範囲を広げれば、西洋医学にも当てはまることだと感じます。


西洋医学は、症状を一時的に治めることや、悪くなってしまった箇所にアプローチすることは得意ですよね。(ざっくりの説明ですが)


私はアロマの世界にいるので、よく言われるのはアロマは足し算の療法で、クレイは引き算の療法だということだったりもそうですね。


それらの療法や作用の特性を理解しているかということが、様々な療法をどう日常に活かせるかの結果に影響してくるということにつながっています。

それぞれの出来ることを活かしていけると良いなと思います^^

抗菌とアロマの話に戻しますが、アロマテラピーの活用の中でも、抗菌は、アロマテラピーが得意とする領域のひとつです。

抗菌作用

精油の代表的な作用のひとつが抗菌作用であり、香りの分子が持つ抗菌活性は、現代科学が発達する以前から経験的に知られていて、世界の各地で活用されてきました。

たとえば中世ヨーロッパでは、ペストや淋病(もしくは梅毒?)などの感染症に対してハーブやニンニクが使われていたという歴史があります。

14世紀の大流行期、中世ヨーロッパでは瘴気(悪い空気)が病の原因と信じられていたため、ローズマリーやセージ、ラベンダー、ニンニクなどの芳香性を持つハーブが空気清浄や感染除けの目的で使用されていたそうです。*1

予防・治療にハーブが使われてはいましたが、当時は感染症のメカニズムが未解明で、使用は経験則や信仰に基づいていたと思われます。

歴史は歴史でまた整理して書いてみたいところもありますが、


Erin Connellyら(2018)の研究では、中世ヨーロッパの医学書に記されたハーブの処方が、統計的に微生物感染症の症状に使われるパターンを示しているということをまとめておられ、単なる迷信ではなく生物活性を期待できる可能性があると示唆しているようです。*2

さらに同チームは、in vitroで抗菌活性の実験検証も行い、一部のハーブが実際に抗菌作用を示すことも確認していますので、昔の人はすごいなぁと思いますよね。


薬草 アロマ

現代の薬剤は、多くが単一有効成分(API)をベースに設計されていますが、複数成分を組み合わせた薬(合剤・複方製剤)も決して珍しくはありません。

とはいえ、複合といってもその数は通常ごく限られていて、組み合わせも副作用や相互作用を考慮して、非常に慎重に選定されているはずです。

一方で、精油は1滴の中にすでに数百種類の分子が含まれる多成分混合物であり、その複雑さゆえの特性もあります。

その特性のひとつが抗菌薬が効きにくい耐性菌にも作用する可能性があるということです。

さらに一方で、精油はその複雑な成分構成ゆえに、科学的なエビデンスを取得することが難しいという側面もあります。

それでも私は、薬と精油が必ずしも同じ土俵で比較される必要はないと感じています。

精油はあくまで補完・代替医療として、

お互いの長所を活かし合いながら、より良いケアを支えてくれる存在だと感じています。

その多様性こそが、精油の魅力でもあるのかもしれません。

現代において、各種代替医療の信頼性や有効性を科学的に証明していくことは、簡単なことではありません。

だからこそ、そうした研究に日々尽力されている研究者の方々には、ただただありがたく、尊敬の念を抱かずにはいられません。

そして今この時点では、科学的な証明が完全ではなくとも、

暮らしの中で安全に、心地よく、精油を活かしてもらえたらと思いますし、

その香りが、誰かの毎日にそっと花を添えてくれる。

そんな役割を、精油が果たしてくれたら嬉しく思っています。

精油の抗菌を学ぶ

アドバイザーコースではまず、微生物の種類(細菌・真菌・ウイルス)の違いについて学びました。

精油学のパートでは、抗菌作用の強い代表的な精油として

オレガノ、クローブ、シナモン・カッシアを中心に学びました。

いずれも、フェノール類や芳香族アルデヒド類といった抗菌成分を豊富に含む精油です。

香りの印象や使用時の注意点にも触れました。

これらの精油は抗菌力が非常に強い反面、

皮膚への刺激性も高いため、特に敏感肌の方は注意が必要です。

精油 アロマテラピー プラナロム

また、アドバイザーコースでは精油の飲用は推奨されていませんが、

オレガノをカプセル化した製品が市販されていることを例に取りながら、

フェノール類の服用がどのようなケースで有用かについてもお話ししました。

クラフトでは、抗菌石けんと抗菌スプレーを作成しました。

石けんのブレンドでは、

シナモンとオレンジにジンジャーを加えた爽やかな香りが印象的でした。

石けん作り

一方、スプレーは小さなお子様がいる場面を想定し、

石けんとはまったく違うアプローチで、

よりやさしく心地よい香りに仕上がりました^^

抗菌といえば「オレガノでなければならない」と辞典を中心に考えると、

フォーカスしてしまうこともあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

抗菌活性を持つ有用な成分は他にもたくさんあり、

日常生活レベルでも精油を安全に、

そして楽しく活用できる知識をお伝えできたらと思っています。

アロマクラフト

​ナードのアロマアドバイザーコースは、アロマ初心者の方から経験者の方までご受講いただいております。

健康や身体の仕組み、もちろんアロマのことなど勉強してみたいという方のご受講をお待ちしています。

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アロマライフマスターコース

*1Pandemics and Traditional Plant-Based Remedies. A Historical-Botanical Review in the Era of COVID19

*1Plague remedies from the garden | RPC Museum

*2Erin Connelly, Charo I. del Genio, and Freya Harrison (2018)

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