ピエール・フランコム氏のセミナーを受講して
- さら ともみ
- 6月17日
- 読了時間: 8分
先日、IUNT主催の1周年記念イベントとして東京で開催された ピエール・フランコム来日セミナー 「いたみ 〜薬用エッセンシャルオイルで癒す身体と心〜」に参加させていただきました。
フランス語だと"Les douleurs physiques et psychiques les soulager avec les huiles essentielles médicinales"だそうです。
(フランス語読み聴きできるようになりたい。笑)

テーマは痛み。身体的な痛み、そして心の痛みの両方に向き合う、とても興味深い内容でした。
実は、ギリギリまでリアル参加できるかどうかスケジュールの調整が難しく、内心ドキドキしていたのですが、当日はなんとか朝から会場に足を運ぶことができました。
会場では、ナードの先生方をはじめ、これまでお会いしたいと思っていた方々にもご挨拶することができて、幸せな時間となりました。
今回、東京まで伺った目的は、もちろんフランコム氏の講義を直接聴くこと。そしてもう一つ、講義のテキスト翻訳と通訳を務められた濱田祥子さんにお会いしたかったからです。

以前、祥子さんの講義をオンラインで受講させていただいたことがあり、いつか直接お会いできたらと願っていたので、ご挨拶できて本当にうれしかったです^^
青いスーツがとてもお似合いで素敵でした。紀子さんが撮ってくれてた^^

セミナー内容より
今回のテーマは痛み。
フランコム氏は、精油が痛みに対して即効的に作用する場合があること、そしてクライアントの痛みの軽減において精油が非常に強力なツールになり得ることを伝えてくださいました。
そのためには、適切なブレンドを行い、どのように使うかも大切だとも。
講義では、痛みの概要から、有用な精油と芳香分子、さらにはその香りの特徴まで幅広く紹介され、非常に濃密な時間となりました。
末梢神経や中枢神経それぞれに存在する受容体、侵害受容から神経障害性の痛みに至るまで、どの受容体にどの分子が作用するのかといった分子レベルの解説もあり、研究を重ねてこられたフランコム氏ならではの内容で、非常に学びが深かったです。
CB2受容体を介した抗炎症作用や、脳内オピオイド受容体へのアゴニスト作用、そして脱感作による鎮痛作用などに関して、具体的な受容体とそれに対応する芳香分子も多数紹介がありました。
個人的には、ニオイクロタネソウ(Nigella sativa)の精油についての言及が印象的でした。
こちらはCO₂抽出のためなかなか普段は出会う機会がない精油なのですが、フランコムラボのサンプルでいただいていた精油が手元にあったことを思い出し、家に帰ってから香りを確かめていました。
ブラッククミンですね^^

一口に痛みと言っても、その発生源や原因、伝達経路、調節機構は多層的で複雑で、身体だけでなく精神的なものもあります。
末梢と中枢、免疫系と神経系が複雑に関わり合い、複数の受容体が同時に反応することで、痛みとしてシグナルが生じることも少なくありません。こうした反応が連鎖的に起こることもよくあります。
だからこそ、これは痛みだけに限ったことではないとは思いますが、分子レベルでの知識を土台にしつつも、ひとつのものに捉われず、柔軟で多角的な視点からのアプローチが必要なのだと改めて感じました。
講義では、具体的な疾患を取り上げながら、精油の活用法や成分の選び方も紹介されました。
婦人科系では子宮内膜症、消化器では過敏性腸症候群(IBS)などが取り上げられました。
IBSについては、腸粘膜保護にどう精油を使うかという視点も興味深かったです。以前、安倍茂先生の講義を受講した際に腸内環境について学んだ内容ともリンクし、理解がより深まりました。
(そういえば安倍先生の受講についてのレポートまだ書いていません)
また、IBSは精神面の影響が大きいことも考慮し、鎮痛や腸粘膜の保護だけでなく、不安の緩和という視点からも精油が有効であるという内容にも言及されていました。
抗不安作用による精神面へのケアについては、アロマテラピーならではだと感じますし、大切な視点であると思います。この辺りも紹介されていたこと嬉しく思いました。
体も心もひとつの物事だけでは、作られてはいないですよね。
どうしても分子レベルでマクロの世界をのぞいていくと視野は狭くなりがちですが、実際の活用を考える時は、ミクロとマクロのどちらの視点も行き来しながら選びたいと思います。
また、関節の痛みに関しては、変形性関節症と多発性関節炎との違いや、それぞれに対応する精油や分子の選択も紹介されました。
抗炎症・鎮痛・免疫細胞へのアプローチ、さらにはオピオイド受容体を通じたサポートなど、症状に応じた組み合わせの考え方はとても参考になりました。
たったひとつの講義でお話いただけることは少ないと思いますが、その中でもおおまかに鎮痛にはこの分子をよく選ばれるのだなというのもなんとなくイメージできましたし、それに加えて各疾患の特性から、特徴的な芳香分子(または精油)を選択し加えていく流れも感じることができ、ブレンドに幅を持たせることもできそうです。
ここに体質への検討が入れば更に面白いですね。
精油の“香り”が心に届くとき
身体だけでなく心の痛みへのアプローチも、本セミナーでは大きなテーマのひとつでした。
情動に寄り添う精油の力、脳機能や自己コントロールとの関係、そしてレジリエンスという言葉も登場しました。これは私自身も非常に関心があり、最近深めているテーマでもありますので、別の機会に深掘りしてご紹介したいと思っています。
嗅覚刺激を通じた深い癒しや気づきが語られる場面には、共感の連続でした。アブソリュートの精油も多く紹介され、実際にスメリングも体験。
ブルーロータスは甘いお菓子のような可愛らしい香り^^
ケープカモミールはジャーマンとローマンの間のような優しさを感じました。良い香りだけど、珍しい精油だと仰っていたので入手は難しいのかもしれませんが、貴重な機会でした。
写真はリンデンのCO2とカナダツガでした。カナダツガも良い香りだった〜。
すっきりとした香りで、フランコム氏も素晴らしいエッセンシャルオイルだと仰っていました。


香りと視覚(眼球運動)との関係にも触れられ、嗅覚療法の可能性を広げる新たな視点にもワクワク。やはり全体的に様々な分野を学び知っておくことも重要ですね。
身体の動作と嗅覚を連動させることは、先日のぺノエル氏のセミナーでの内容にも通ずるところもあると感じます。アプローチの意図は異なると思いますが、肉体と心の連動性を理解していくことは大切ですよね。
わたし自身も、身体の不調だけでなく、心への働きかけにも精油の可能性があると信じて活動しています。
それは、これまで出会ってきた多くの生徒様の姿から、たくさん教えていただいたことでもあります。
アロマテラピーが、もっと多くの方にとって、癒しや心の緊急時にも役立つ存在としてより認知されるようになると良いなと、実践を重ねるたびに感じています。
だって、嗅ぐだけでいいんですもの。シンプルに。
その手軽さと、手軽さからは想像できないほどの素晴らしい力を、もっと多くの方に知っていただきたいです。
たくさんの精油の香りをわたしたちにシェアしようと、たっぷりの精油を持ってきてくださったフランコム氏。登壇しながら、ばらばらばら~っと精油をデスクに広げていた姿がとてもおちゃめで、素敵でした。笑
今回の学びを活かして、より多くの方に寄り添える香りの使い手でありたいと、改めて感じた一日でした。
たくさんの素敵な時間をありがとうございました!
休憩時間にはフランコム氏のスペシャルブレンドなアロマデルム®︎もお試しさせていただきました。こちらは

こちらのニゲラのフレイルティーというブレンドはとても良い香りにブレンドされていました^^

ちゃんとサインもいただいたよ^^


紀子さんも今日もまたお会いできて楽しかったよー^^


あ、そうだ。抽選会ではプレゼントも当選しまして、わたしとっても嬉しそう笑
多くのご準備を重ねてくださった主催の皆さまにも、心より感謝申し上げます。

ほほほo^^o

スケジュールが合えば全てのものに参加したかったのですが、限られたものだけでも、しかもリアルで参加させていただけたことは本当に幸運でした。
いただけたものに最大限感謝をし、また還元してまいりたいと思います。
抗菌や腸内細菌、炎症については、安倍先生のご講義や、昨年のボドゥ氏のセミナーとも合わせて、最近の先生方の知見もわたしの中でまとまってきましたので、
そこにわたしなりの理解や見解を踏まえて整理し直して、生徒のみなさまにも還元していけたらと思っています。
引き続き、楽しいアロマテラピー、有用なアロマテラピー、その様々な可能性を模索し、認知広げるべくがんばりまーす!
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