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多層的な世界と心をつなぐ

思想

人にしか関心を向けないと、


というのは、


​言い換えると人のことばかり気にした生き方を選択していると、


​世界とのつながりが他者だけになりがちです。


いつもはこのことを「自分ばかりに矢印が向いている状態」として説明しますが、


​今回は、「他者ばかりになりがち」という敢えて反対方向から説明します。



.そうすると、他者の振る舞いや反応が自分の生きる指針となり、


エネルギーや興味を注ぐ対象も他者しかいなくなってしまいます。


他人の承認を得ることばかりが目下の興味ごととなり、


​他人に干渉せずにはいられず、


​人間関係が壊れれば、


​まるで世界そのものが崩れ落ちるような感覚に襲われがちです。


けれど、例えば音、物、数字、動物、昆虫、抽象的な概念などとも、


深い興味やつながりを感じられる人は、


​世界の多重多層的な側面と豊かに関わることができます。


​そうした人は、


他人に心を大きく振り回されることなく、


自分自身の足場で世界を感じ取ることができます。


世界と自分との間に複数のパイプが通っているような感覚になり、


​もし人間関係に波風が立っても、その瞬間に自分が全てを失ったように感じることはありません。


自分の生きる軸や世界との接点が一つしかない状態では、ちょっとした出来事でグラグラと揺れてしまうものです。 ​



​依存先をひとつにしない。


​「自分がある状態」で、自身の存在価値を他者におかない。


​世界はもともとひとつなのだから、


​ありとあらゆるものとのつながりを感じて理解していけば、


​その結果、人や他者との関係性も、もっと柔らかく自然に向き合えるようになるのだと思います。



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